ハローワークの「有効求人倍率」を徹底解説!調べ方や数字が持つ意味を理解しよう
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はたらくサーチ編集部
はたらくサーチ編集部は全国のハローワークの求人情報を研究・分析し、お仕事に関するトレンドやお役立ち情報などを発信しています。皆様にとって役立つ情報が発信できるよう頑張り …続きを読む
目次
「有効求人倍率とは何か」「ハローワークで仕事を探すにあたり、有効求人倍率がどう役立つのだろうか」と、疑問を抱いていませんか。
この記事では、ハローワークで発表している有効求人倍率の基礎から最新の情報、活用方法まで徹底解説します。
有効求人倍率のことを詳しく知り、仕事探しに役立てましょう。
有効求人倍率とは
有効求人倍率とは、求職者一人に対して、有効な求人数が何件あるかを示す割合のことです。有効求人倍率は、厚生労働省が毎月調査しており、国内の雇用動向を表す重要な指標のひとつとなっています。
有効求人倍率は、以下の計算式で算出できます。
【有効求人倍率の計算方法】
有効求人数 ÷ 有効求職者数 = 有効求人倍率
例)有効求人数(100)÷ 有効求職者(80)=1.25倍
有効求人倍率が1以上の場合、求職者の数より求人を出している企業の数が多いことを指します。一方、1以下の場合は、求人を出している企業の数より求職者の方が多いことを意味します。
ハローワークが発表する有効求人倍率とは?
ハローワークは、管轄ごとに有効求人倍率を調査・公開しています。ここでは、ハローワークの有効求人倍率について、基本事項を確認していきましょう。
厚生労働省が管轄する労働局が公表している
有効求人倍率は、厚生労働省が管轄する各地方の労働局(ハローワーク)が公表しており、誰もが確認できるようになっています。
労働局は、求職者のための窓口として、全国500箇所以上にハローワークを設置しています。例えば東京労働局であれば、都内17箇所(専門窓口を除く)のハローワークが求職者の窓口となり、職業相談や失業保険の申請などが行えます。
労働局のサイトで確認するか来所して教えてもらえる
有効求人倍率は、各ハローワークの公式サイトで確認できますが、中には掲載されていないケースも見受けられます。公式サイトに掲載がない場合は、ハローワークに問い合わせてみましょう。
公式サイトで確認する場合は、該当の地域を管轄するハローワークのトップページにアクセスし、「有効求人」や「求人情報」と書かれた箇所をクリックすると見られます。月ごとに分かれている場合は、最新の情報を確認するのがおすすめです。
雇用条件や職種ごとの有効求人倍率を見られる
ハローワークが公開している有効求人倍率は、雇用条件や職種ごとに分かれています。
多くのハローワークでは一般常用(フルタイム)とパートの雇用条件別、販売や事務などの職種ごとに項目を分けしていますが、ハローワークによって記載が異なるため注意が必要です。希望する職種の掲載がない場合は、ハローワークに問い合わせをすることで、教えてもらえます。
有効求人倍率以外にハローワークが公表している項目を紹介
ハローワークでは有効求人倍率以外にも、求人・求職者の詳しいデータが記載された「バランスシート」や、職種や雇用条件ごとのデータが記載された「賃金情報」など、さまざまな情報を公開しています。ここでは、ハローワークが公表している有効求人倍率以外の項目を紹介します。
有効求人数・有効求職者数
有効求人数とは、ハローワークに求人を申し込んだ企業の求人数であり、当月の新規求人数と前月から繰り越された求人数の合計です。
有効求職者数とは、ハローワークに求職者の登録をしている人の数であり、新規求職申込み者と前月から繰り越された求職者の合計です。
この2つの情報から有効求人倍率が算出されています。
賃金情報(求人賃金・求職希望月額)
賃金情報とは、一般常用(フルタイム)/パート別、職種別の賃金に関する情報のことです。賃金情報には、以下の3項目が掲載されています。
- 求人賃金上限
- 求人賃金下限
- 求職希望月額
求人賃金は、募集要項に掲載されている賃金の額のことで、求職希望月額は、求職者が特定の職種に対しての希望している月額報酬です。パートタイムの場合は求職希望時給となります。
賃金情報には、これらの情報が職種ごとに表記されているので、希望する職種がどれくらいの報酬を得られるかを確認できます。
最新の有効求人倍率とこれまでの推移
現在、公開されている最新の有効求人倍率がどうなっているのか気になる方もいるでしょう。ここでは、最新の有効求人倍率や職種別ランキング・これまでの推移を紹介していきます。
最新の有効求人倍率
厚生労働省公式サイトの「報道発表資料 」によると、最新の有効求人倍率は、1.27倍(2023年12月分)となっています。
次に、都道府県別の有効求人倍率を見てみましょう。
【2023年12月分の有効求人倍率】
- 全国:1.27倍
- 東京都:1.14倍
- 神奈川県:1.09倍
- 大阪府:1.06倍
- 福岡県:1.13倍
参照元:厚生労働省の一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について|報道発表資料
都道府県別の有効求人倍率は、全国平均より都市部の方が若干低くなっています。
2023年全体の有効求人倍率を見てみると、年始の1.35倍から少しづつポイントを下げ、12月には1.27倍となりました。新型コロナ感染症による雇用への影響は緩和されましたが、いまだに雇用が安定しているとは言い切れません。
最新の情報と雇用動向を把握したい方は、厚生労働省の公開情報を随時チェックしておくのがおすすめです。公開情報は「報道発表資料 」から特定の月を選択し、「一般職業紹介状況」をクリックすることで確認できます。基本的には、前月分の有効求人倍率が翌月の月末に発表されます。
職種別の有効求人倍率ランキング
厚生労働省が発表する最新の職種別有効求人倍率は、どうなっているのでしょうか。ここでは、現在(2024年2月7日時点)の最新職別有効求人倍率のランキングを紹介します。(以下参照元:厚生労働省の一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について│参考統計表)
【職種別│大分類での有効求人倍率ランキング】
順位 | 職種(大分類) | 有効求人倍率 |
---|---|---|
1 | 保安職業従事者 | 7.31倍 |
2 | 建設・採掘従事者 | 5.61倍 |
3 | サービス職業従事者 | 3.24倍 |
4 | 輸送・機械運転従事者 | 2.36倍 |
5 | 販売従事者 | 2.17倍 |
6 | 専門的・技術的職業従事者 | 2.01倍 |
7 | 管理的職業従事者 | 1.16倍 |
8 | 農林漁業従事者 | 1.16倍 |
9 | 運搬・清掃・包装等従事者 | 0.78倍 |
10 | 事務従事者 | 0.46倍 |
【職種別│中分類での有効求人倍率ランキング】
順位 | 職種(中分類) | 有効求人倍率 |
---|---|---|
1 | 建設躯体工事従事者 | 9.71倍 |
2 | 保安職業従業者 | 7.31倍 |
3 | 土木作業従事者 | 6.72倍 |
4 | 建築・土木・測量技術者 | 6.22倍 |
5 | 建設従事者(建設躯体工事従事者を除く) | 5.20倍 |
6 | 採掘従事者 | 4.49倍 |
7 | 機械整備・修理従事者 | 4.39倍 |
8 | 介護サービス職業従事者 | 4.20倍 |
9 | 家庭生活支援サービス職業従事者 | 3.86倍 |
10 | 生活衛生サービス職業従事者 | 3.40倍 |
職種別の有効求人倍率を見ると、土木・建築関係や介護業界が人手不足であることがわかります。一方、事務職は有効求人倍率が低く、人気の職種であると判断できます。
※上記のランキングは月間の有効求人倍率であるため、月ごとに変動します。あくまで参考程度としてください。
これまでの有効求人倍率の推移
有効求人倍率は近年、上昇傾向にありますが、バブル崩壊、リーマン・ショック、そしてコロナ禍と、景気変動や社会情勢の影響を大きく受けてきました。
参考までに、下記の1963年から2022年までの季節調整済新規求人倍率をみて、雇用変動の推移を確認ください。※季節調整済新規求人倍率は、当月の新規求人に対する求職者数を示すため、直近の景気動向を反映した指標となっています。
参照元:厚生労働省の一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について|報道発表資料
1989年のバブル崩壊後、有効求人倍率は減少し、1999年には0.34倍(季節調整済新規求人倍率:0.9倍)という低水準を記録しています。これは「失われた10年」と呼ばれる就職氷河期の象徴です。その後、2005年から2008年まで上昇傾向にありましたが、リーマン・ショックの影響で2009年5月には史上最低の0.32倍を記録しました。
2008年以降、有効求人倍率は徐々に回復していましたが、2020年のコロナ禍の影響で一時急落しましたが、現在は再び上昇し続けています。
有効求人倍率を仕事探しに役立てる方法
有効求人倍率について理解し、動向を把握しておくことで、仕事探しに役立てられます。ここでは、有効求人倍率を活用する具体的な方法を紹介します。
有効求人倍率の高い職種で求人を探す
仕事を早く探したい方や需要のある職に就きたい方は、有効求人倍率が高い職種から応募を検討すると良いでしょう。自分の希望に合った働き口を見つけられる可能性が高まります。
有効求人倍率が高い職種は売り手市場であるため、仕事を見つけやすくなっています。求人の選択肢も増えるため、有効求人倍率の高さも意識すると良いでしょう。
条件の良い求人をピックアップする
有効求人倍率の高い職種から、福利厚生や各種手当などを確認し、雇用条件の良い求人をいくつかピックアップするのもおすすめです。
ハローワークで求人を探す方法は、ハローワークの窓口で担当者と一緒に行うか、ハローワーク専用端末やパソコンでハローワークインターネットサービスを使って自分で探す方法があります。
求人を検索する際は、1つだけではなく複数の求人をピックアップすると、比較対象ができるので自分にマッチする求人を見つけやすいでしょう。
インターネットで検索して応募する
求人を探す場合は、ハローワークインターネットサービスを活用し、インターネット上で求人を検索するのもおすすめです。ハローワークインターネットサービスは、自宅からでも求人を検索できるサービスですが、求人の検索だけではなく、直接応募ができるようになっています。
ハローワークインターネットサービスを利用するためには、ハローワーク窓口での本登録が必須となります。インターネット上で仮登録を済ませたあと、ハローワークへ出向き、本登録を済ませましょう。
ハローワークへ出向くのが大変という方は、求人検索サイトの 「はたらくサーチ」を活用するのがおすすめです。「はたらくサーチ」では、ハローワークに掲載された求人をスマートフォンから閲覧できます。気になる求人があった場合はその場で履歴書を作成し、応募することも可能です。効率的に求人の検索・応募してみたい方は、ぜひ「はたらくサーチ」を活用してみてください。
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