ハローワークでもらえるお金とは?雇用保険やもらえる給付金を解説
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はたらくサーチ編集部
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目次
ハローワークでは求職活動に向けての案内だけでなく、資金面でのサポートも行っています。しかし、ハローワークで受けられるサポートについて「無職でも、もらえるお金があるのか」「どのように申請をすれば良いのだろうか」と疑問を持つ方もいるでしょう。
そこで、この記事では、ハローワークでもらえる失業保険の基本手当や給付金について解説していきます。失業後にもらえる給付金の額や条件なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ハローワークでもらえるお金【失業保険の基本手当】
まずは、ハローワークでもらえるお金の失業保険について解説していきます。
失業保険とは
失業保険とは通称名であり、正式名称は「雇用保険の失業等給付の基本手当」です。この記事では「失業保険の基本手当」と表記して解説していきます。
失業保険の基本手当は、雇用保険の被保険者が離職後に新しい仕事に就くまで安心して生活が送れるよう支給されるものです。支給される日数は、離職した日の年齢や雇用保険の被保険者であった日数、離職した理由によって異なります。
失業保険の基本手当を受給するためには、自らハローワークに出向いて手続きしなければなりません。受給を希望する方は、必ずハローワークで手続きを行いましょう。
なお、失業保険について詳しく知りたい方は、「ハローワークにおける失業保険のもらい方を徹底解説!条件や計算方法も紹介」の記事をご覧ください。
失業保険の基本手当の給付の条件とは?
失業保険の基本手当の給付条件と準備する書類、受給開始日は以下のとおりです。
給付条件 | 再就職の意思がある 離職日前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上ある(解雇や倒産による退職の場合は6ヶ月) |
---|---|
準備する書類 | 離職票(勤務していた事業所から交付されます) 個人番号確認書類(マイナンバーカード・通知カード・個人番号が記載されている住民票) 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード) 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード 顔写真(2枚必要) |
受給開始日 | 自己都合退職:7日+2ヶ月後 会社都合退職:7日後 |
参照元:ハローワーク インターネットサービス「基本手当について、ハローワーク インターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
失業保険の基本手当は再就職の意思がある方が対象のため、病気やけがですぐに働けない方や定年退職した方、休養する方には支給されない場合があるため注意が必要です。
本人名義の預金通帳について、一部対応していない金融機関があるため、事前に確認しておくとよいでしょう。ゆうちょ銀行は対応可能なので、心配な方はゆうちょ銀行の通帳もしくはキャッシュカードを持参すると安心です。
顔写真は正面上三分身で縦3.0cm×横2.4cmのものが2枚必要ですが、マイナンバーカードを提示できれば提出は不要となります。
失業保険は、退職理由が自己都合か会社都合かで受給開始日が異なるため注意しましょう。自己都合の場合は7日間の待機期間と2ヶ月間の給付制限期間経過後に支給されます。
失業保険のことをハローワークで相談したい方は、「ハローワークで相談できる3つのこと!相談だけするときや準備のポイントなど気になる疑問を解説」の記事を参考にしてください。
失業保険の基本手当の申請方法
失業保険の基本手当の申請方法は、以下のとおりです。
- 書類を準備する
- ハローワークで手続きをする
- 説明会へ参加する
- 求職活動を行う
- 失業認定日にハローワークへ行く
説明会は「雇用保険受給者初回説明会」と呼ばれるもので、指定の日時に必ず参加する必要があります。ハローワークで手続きした際に渡される「雇用保険受給資格者のしおり」と筆記用具を持参しましょう。説明会では1回目の「失業認定日」の案内もされます。
失業保険の基本手当を受け取るためには、前回の認定日から次の認定日までに原則として2回もしくは3回以上の求職活動が必要です。求職活動は、求人への応募やハローワークでの職業相談、セミナー受講などが該当します。
ハローワークでの手続きの流れについては、「ハローワークを初めて利用する際の流れや失業保険の手続きなどを徹底解説!」をご覧ください。
失業保険の給付期間
失業保険の給付期間は、以下の退職理由や障害の有無でそれぞれ日数が異なります。
- 自己都合退職
- 特定受給資格者・特定理由離職者(会社都合退職)
- 就職困難者(障害がある方の失業)
自己都合退職における給付期間は、以下のとおりです。
年齢 | 1年未満 | 1年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|
全年齢 | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 |
※年数は被保険者であった期間
参照元:ハローワークインターネットサービス 「基本手当の所定給付日数」
特定受給資格者・特定理由離職者(会社都合退職)の給付期間は、以下のとおりです。
年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上 10年未満 | 10年以上 20年未満 | 20年以上 |
---|---|---|---|---|---|
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
※年数は被保険者であった期間
引用元:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
就職困難者(障害がある方の失業)の給付期間は、以下のとおりです。
年齢 | 1年未満 | 1年~20年以上 |
---|---|---|
45歳未満 | 150日 | 300日 |
45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日 |
※年数は被保険者であった期間
参照元:ハローワークインターネットサービス 「基本手当の所定給付日数」
失業保険の計算シミュレーション
失業保険の1日当たりの計算方法は、「離職した日の直前の6ヶ月間に支払われた給与の合計(賞与を除く)÷180×50〜80%(60歳〜64歳は45〜80%)」です。支給額は、給与が低い方ほど給付される率は高くなります。
1日当たりの支給額は下限額と上限額が定められており、下限額は全年齢2,196円です。上限額は年齢ごとに異なり、以下の金額となります。
年齢 | 上限額 |
---|---|
30歳未満 | 6,945円 |
30歳以上45歳未満 | 7,715円 |
45歳以上60歳未満 | 8,490円 |
60歳以上65歳未満 | 7,294円 |
引用元:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
基本手当当日額の割合は、年齢により異なるため注意しましょう。
離職時の年齢が29歳以下の方は、以下の給付率で基本手当を計算します。
賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
---|---|---|
2,746円~5,110円未満 | 80% | 2,196円~4,087円 |
5,110円~12,580以下 | 80%~50% | 4,088円~6,290円 |
12,580円~13,890円以下 | 50% | 6,290円~6,945円 |
13,890円 | ー | 6,945円 |
引用元:厚生労働省 「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」
離職時の年齢が30〜44歳の方は、以下の給付率で基本手当を計算します。
賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
---|---|---|
2,746円~5,110円未満 | 80% | 2,196円~4,087円 |
5,110円~12,580以下 | 80%~50% | 4,088円~6,290円 |
12,580円~15,430円以下 | 50% | 6,290円~7,715円 |
15,430円 | ー | 7,715円 |
引用元:厚生労働省 「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」
離職時の年齢が45〜59歳の方は、以下の給付率で基本手当を計算します。
賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
---|---|---|
2,746円~5,110円未満 | 80% | 2,196円~4,087円 |
5,110円~12,580以下 | 80%~50% | 4,088円~6,290円 |
12,580円~16,980円以下 | 50% | 6,290円~8,490円 |
16,980円 | ー | 8,490円 |
引用元:厚生労働省 「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」
離職時の年齢が60〜64歳の方は、以下の給付率で基本手当を計算します。
賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
---|---|---|
2,746円~5,110円未満 | 80% | 2,196円~4,087円 |
5,110円~11,300円以下 | 80%~45% | 4,088円~5,085円 |
11,300円~16,210円以下 | 45% | 5,085円~7,294円 |
16,210円 | ー | 7,294円 |
引用元:厚生労働省 「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」
次に、失業保険がもらえる額をシミュレーションしていきます。
【シミュレーション①】
29歳以下で離職前の給与が月額15万円の場合の基本手当日額は、以下のとおりです。
150,000×6ヶ月÷180×80%=4,000円
月額15万円の場合は、1日当たりの給与が5,000円未満と低いため給付率は80%となります。1日当たりの給付額は、4,000円です。
【シミュレーション②】
35歳で離職前の給与が月額27万円の場合の基本手当日額は、以下のとおりです。
270,000×6ヶ月÷180×50%~80%=4,500~7,200円
月額27万円の場合、給付率が50%~80%となり1日当たりの給付額は4,500~7,200円となります。
失業保険だけじゃない!ハローワークでもらえる給付金一覧
ハローワークでは失業保険の基本手当以外にも、以下のような給付金を受給できます。
- 再就職手当
- 就業促進定着手当
- 就業手当
- 教育訓練給付
- 職業訓練給付金
各給付金の給付条件と金額をみていきましょう。
再就職手当
再就職手当は、失業保険の受給者が早い段階で再就職できた際に支払われる給付金です。次の仕事が決まるのが早ければ早いほど、支給額は多くなります。給付率は以下のとおりです。
- 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の方は、所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額
- 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上の方は、所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額
引用元:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」
基本手当日額の上限は6,290円ですが、60歳〜65歳未満の方は上限額が5,085円となります。受給の条件や受給に必要なものは、以下のとおりです。
受給の条件 | ・失業保険の受給資格がある ・失業保険の残日数が3分の1以上残っている ・受給手続きの待機期間である7日間を過ぎてからの再就職 ・離職先に再就職していない ・ハローワークか人材紹介会社を経由して決定した会社に再就職している ・再就職先で1年以上働くと決まっている ・雇用保険の被保険者になっている ・過去3年以内に再就職手当をもらっていない | 受給に必要なもの | ・採用証明書 ・雇用保険受給資格者証 ・失業認定報告書 | 受給開始日 | 申請して約1週間後 |
就業促進定着手当
就業促進定着手当は、再就職先の6ヶ月間の賃金が前職より少ない場合に支給される給付金です。受給の条件や申請期間は、以下のとおりです。
受給の条件 | ・再就職手当の支給を受けている ・起業による再就職手当の受給者は申請不可 ・再就職後6ヶ月以上、雇用保険の被保険者 ・再就職後6ヶ月間の賃金の1日分の額が、前職の日額を下回っている | 申請期間 | 再就職した日から6ヶ月が過ぎた日の翌日から2ヶ月間 | 受給に必要なもの | ・就業促進定着手当支給申請書 ・雇用保険受給資格者証 ・就職日から6ヶ月間の出勤簿の写し ・就職日から6ヶ月間の給与明細 |
支給額は「前職の賃金日額-再就職の賃金日額×賃金の支払いの基礎となった日数」で計算できます。支給額は失業保険と同様に、上限額と下限額が定められており、金額は以下のとおりです。
30歳未満の方の上限額 | 13,890円 | 30歳以上45歳未満の方の上限額 | 15,430円 | 45歳以上60歳未満の方の上限額 | 16,980円 | 60歳以上65歳未満の方の上限額 | 16,210円 | 下限額 全年齢共通 | 2,746円 |
参照元:再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には、「就業促進定着手当」が受けられます
就業手当
就業手当は、再就職手当の支給対象にならない形態で就職した場合に支給される給付金です。受給の条件や受給に必要なものは、以下のとおりです。
受給の条件 | ・基本手当の支給残日数が45日以上で所定給付日数の3分の1以上 ・1年以上の雇用の見込みがないなどの安定した就職でない ・前職でないこと | 受給に必要なもの | ・失業認定申告書 ・給与明細などの就職したことを証明するもの |
参照元:ハローワークインターネットサービス 「就職促進給付」、北海道ハローワーク「就業手当ての支給は」
就業手当の計算方法は「基本手当日額×3%×就業日」です。就業手当も1日当たりの上限額が定められており、60歳未満は1,857円、60歳〜64歳の方は1,501円となります。
失業保険以外にもさまざまな給付金があるため、それらを上手く活用しながら次の仕事を探すと良いでしょう。詳しい相談窓口については、以下の記事をご覧ください。
「ハローワークの相談窓口で何ができる?利用方法や失業保険の手続きなどを解説」
教育訓練給付
教育訓練給付は厚生労働大臣が指定している教育訓練を受講、修了した際に費用の一部が支給される給付金です。パートやアルバイト・派遣労働者も対象となっており、被保険者に安定した雇用と再就職を促します。
受給の条件や受給に必要なものは、以下のとおりです。
受給に必要なもの | ・給付金の支援請求書 ・教育訓練の終了証明書と領収書 | 特定一般教育訓練 | 受講費の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給 | 受給開始日 | 申請後の約1週間後 |
参照元:厚生労働省「教育訓練給付制度」
教育訓練給付には「専門実践教育訓練給付金」「特定一般教育訓練給付金」「一般教育訓練給付金」の3種類あり、それぞれの給付額は以下のとおりです。
専門実践教育訓 | ・受講費の50%が受講中6ヶ月ごとに支給(年間上限40万円) ・資格を取得し、1年以内に被保険者として雇用された場合、受講費の20%を追加で支給(年間上限16万円) | 特定一般教育訓練 | 受講費の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給 | 一般教育訓練 | 受講費の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給 |
参照元:厚生労働省「教育訓練給付制度」
職業訓練給付金
職業訓練給付金は職業訓練を受けてスキルアップし、就職活動する方をサポートする給付金です。条件があえば、失業保険を受給できない方でも職業訓練を受けながら給付金を受給できます。
職業訓練受講手当は月額10万円で、交通手段によって支給額が異なります(上限あり)。受給の条件や受給に必要なものは、以下のとおりです。
受給の条件 | ・本人の収入が月8万円以下 ・世帯全体の収入が合わせて月30万円以下 ・世帯全体の金融資産が300万円以下 ・住んでいる土地以外で土地や建物を所有していない ・すべての訓練の日に参加している ・世帯のなかに給付金を受給して訓練している方がいない ・過去3年以内に不正行為により特定の給付金支給を受けてない ・過去6年以内に職業訓練受講給付金の支給を受けてない | 受給に必要なもの | ー | 受給開始日 | 申請後の約7~10日後 |
職業訓練給付金の受給に必要なものは特にありません。ハローワークで申し込んだあと、面接や筆記試験を受けて合格すれば受講ができ、給付金の申請が行えます。
職業訓練給付金については、「ハローワークでキャリアアップをしよう!活用できる制度を紹介」の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
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